INFJ-完璧主義な理想家
今回はINFJがどんな性格なのかについて解説します。「完璧主義」「気遣い屋」「創造的」といった言葉がINFJを端的に表しているでしょう。東京喰種の「金木研」やハリーポッターシリーズの「ダンブルドア」等が例です。INFJのCognitive Functionの並びは以下です。
1. Hero:内向的直感(Ni)―自分の願望・未来を感じ取る力
2. Parent:外向的感情(Fe)―倫理的に考え、他人の感情を読み取る力
3. Child:内向的思考(Ti)―論理的に考える力
4. Inferior:外向的知覚(Se)―現実を把握し経験を与える力
5. Nemesis:外向的直感(Ne)―他人の願望・未来・可能性を感じ取る力
6. Critic: 内向的感情(Fi) ―道徳的に考え、自分の感情を把握する力
7. Trickster:外向的思考(Te)―合理的に考え、他人の考えを読み取る力
8. Demon:内向的知覚(Si) ―自分の経験を記憶として蓄積する力
Cognitive Function(Ni・Fe等のアルファベット)や性格分析に使われている理論(Hero・Parent等)について詳しく知りたい方は、是非過去の記事を参考にしてみて下さい。
見据えるのは自分の未来
INFJが自分の未来を予測出来る理由―それはHeroであるNiにあります。自分が10年後何をしているのか。自分がこれから目指したい目標。INFJは直感的にこういったものを感じ取り、生きる指標にします。
「あなたはこうすべきだ」「やるべきことをやれ」
こんな言葉は大嫌いです。Niにとって責任感や義務感といった概念は、足枷にしかなりません。自由な環境で、自分のやりたいことをやる。これがINFJのモットーとも言えます。そういう意味で、INFJに投げかけるべき言葉は「こんなことも出来るよ」や「何が欲しい?」等です。Neで可能性を広げてもらうことは、何よりも嬉しいはずです。
INFJのDemonはSiです。これが意味することとは何か。上記のように義務感を持っていないことは勿論、過去を振り返ることはしません。常に未来を見据え、「これから自分がしたいこと」を考えて生きていきます。
大切なのは公平性とマナー
他人に対する気遣いや、人と接する際のマナー。INFJはこれらにとても敏感です。責任感の強いFeは、他人の感情や道徳観を貶すことを何より嫌います。多少自分が不快になっても、周りの人が喜んでくれるならそれでいい。困っている人がいれば、手を差し伸べずにはいられないでしょう。自分が悲しい、苦しい、と感じても、空気を乱さない為に中々言い出せないことも多いです。そういう意味で、INFJは自己犠牲的な一面を持っていると言えます。
強い倫理観は、自分に対してだけ課すわけではありません。故に「公平」や「平等」という概念を重要視しがちです。
「この場にいる全員に節度ある態度を取って欲しい」
ParentであるFeは必ずこう思っています。他人を気遣うことは勿論、自分の貢献や努力に対してはきちんと「ありがとう」と言って欲しい。Teの様な直接的なリターンは求めませんが、感謝の気持ちは欲しています。あまりにも自分勝手な人間や、礼を言えないような人に対しては、子を叱る親の様な厳しさを覗かせるかも知れません。
自分が納得出来なければいけない
INFJはよく完璧主義者だと言われます。これは何故か。ChildであるTiによるものが大きい、と自分は考えています。
Tiは論理性、つまり自分にとっての正しさです。情報を一つ一つ組み立て、一つの解に辿り着く。勿論そういう意味も含みます。ただ、INFJの場合はTiがNiと組み合わさることで、「自分の理想を実現する」まで諦めない執念を生みます
あるINFJが、シェフになりたい、と思ったとしましょう。料理学校を首席で卒業し、その後名門レストランの下で数年間修行を積む。自分のレストランも持ち、誰もが認める「三ツ星シェフ」になりました。ただ、このINFJにとって周りからの評価等はどうでもいいのです(Te Trickster)。どれだけ認められようが、「自分が」優秀なシェフになったと感じなければ、納得することが出来ないのです(Ti Child)。
時には頑固者、非現実的な存在だと思われることもあるでしょう。ただ、もがきながら無我夢中で自分の理想に辿り着こうとする姿には、他の性格には無い美しさを感じます。
皆に良い人間になって欲しい
実在した・しているINFJの話になると、度々名が挙がるのが「ガンジー」や「キング牧師」等、社会的な改革を起こした人物ばかりです。社会をより良いものにする為の基盤を作り、改革を起こす。実際、これはINFJの最大の長所であり役割の一つだと自分は思っています。
最初に働くのはHeroであるNiです。「自分はこういう未来が欲しい」という願望が、自然と浮かんできます。ではそれが何処に向けられるのか。「人」です。ParentであるFeは、「全ての人が良い人でなければならない」「全ての人は平等であるべきだ」という、強い責任感を感じさせます。
一度TiでNi・Feによる考えを正しいと認識すれば、後は実現するだけです。世間一般の意見や、客観性等はどうでもいい。自分が正しいと思ったことを、成し遂げるだけ。きっとこう思っている筈です。先述したように完璧主義でもあるので、目標を達成するまで諦めることはないでしょう。「INFJは世界を変える」―これは過大評価や妄言ではなく、事実なのです。
東京喰種の金木研は、正に良い例です。彼はグールと人、2つの種族が分かり合えるような理想の世界を追い求め続けました。その為には自分が犠牲になる覚悟、そして立ちはだかる障害を退ける覚悟を持っていました。結果、グールを束ねる王となり、目的を達成出来たと言えます。
自分の存在感への不安
「この服はダサくないだろうか」「皆の前で失敗したくない」「友達は自分に忠実なのか」
INFJを悩ませる不安はSeによってもたらされます。自分の与えている経験―見た目やパフォーマンスに対して、INFJはとても臆病です。INFJが料理を作ってもあまり他人に振る舞いたがらない、とても上手いのにステージで演奏が出来ない。こんな話はよく聞きます。
同じように、自分に対する忠誠心にも不安を抱きがちです。友人や恋人等、周りの人に必要とされているのか、考えずにはいられません。結果人の忠誠心を試すようなことをしてしまい、かえって嫌われてしまう可能性も大いにあります。INFJは、こういった点に注意すべきです。
Seは他人の動向や現実での出来事に注意を向ける機能でもあります。結果、五感に訴えかけてくる情報に過剰に反応してしまい、人混みや騒音に対して耐性が無いINFJも多いでしょう。
他人は信用ならない
「どうせ皆悪意を持って近寄ってくる」
INFJは無条件に他人の意図を疑っています。これはNemesisであるNeによるものです。
そういう意味で、INFJは他人の裏切りや悪意にとても敏感です。少しでも怪しい素振りを見せれば、即関係を断ち切る。これは時に自分を守ることに繋がりますが、早すぎる判断は真実を掴み損ねます。本当はINFJを助けようとしていたのに、突き放されてしまう。これはあり得ない話ではありません。
良い人間でなくてはならない
「自分は悪い人間だ」―INFJは常にこう思っています。罪悪感や劣等感を感じているからこそ誰よりも善行に励もうとし、Feを使って皆から認められようとします。これはNiと繋がることで強力なバネとなり、誰よりも達観した道徳観を抱くことに繋がります。
ただ、FiはCriticです。自己矛盾を孕んでいることも忘れてはいけません。先述した道徳観、これはINFJを苦しめる呪いにもなり得ます。
Criticの厳しさは他人にも及び、全ての人間に自分と同じ道徳観を課そうとします。「自分のスタンダードに満たない奴は悪人だ」-こう無意識に思っていても全くおかしくありません。そして悪人認定された人達を裁き、傷付けてしまう。誰よりもモラルある人間であろうとした結果、誰よりもモラルの欠けた存在になってしまう危険性があるのです。
まとめ
INFJの特徴を簡単にまとめると:
- 自分の未来・願望を把握し、常に理想を追い求める
- 他人の感情・道徳観を察知し、倫理観な行動・判断を下す
- 自分の考えや正しさに忠実で、完璧を追い求める
- 自分の思い描いた社会的な変化を実現し、世界を変える
- 自分の与える経験・他人の忠誠心に対する不安がある
- 中々他人を信頼できない、疑心暗鬼になりがち
- 罪悪感・劣等感故、誰よりも良い人間であろうとする
となります。
INFJは最も珍しい性格と言われており、中々出会うことは無いでしょう。ただその珍しさ故に偏見や理想化されたイメージによって神格化されているとも感じます。ただ、上記にあるように、INFJも決して「完璧」な性格ではないのです。
SNS等でよく見かける自称INFJの方たちの中には、診断結果を信じているだけだったり、ミスタイプしてしまった人も多いでしょう。自分、もしくは周りにINFJがいるのであれば、今一度きちんと考え直してみて下さい。