Psyentific Blog - 16の性格

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自分・他人の性格を詳しく分析する方法を知りたい人の為に

人を成長させる4つの事項

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出典:https://www.melmediallc.com/

 

今回は「人として成長する為には何が必要なのか」ということについて解説します。

 

これまで人の性格を分析する方法や理論について説明してきましたが、実はユングが始めたこの学問にはもう一つの面があります。それは人が成熟すること、子供から大人に成長する為にはどういった条件を満たす必要があるのかについて触れています。これは無論身体的な成長や老いのことではなく、精神的な成熟を意味します。

 

最初に知っておいて欲しいのが、この記事で紹介する考え方も人の性格の分け方と同じように、一つの解釈でしかないということです。ただ、何も考えず漠然と生きていくだけできちんと成熟するのは難しいでしょう。この考えは大人になる唯一無二の方法では無いかもしれませんが、念頭に置き成長する為の指標にする価値は十二分にあります。

 

大きく分けて、人が大人になる為に満たさなければならない項目は4つあります。これらは1から順番に満たす必要があります。

 

 

 

 

項目1:必要なもの

 

最も最初に目標とするべきことは、「自分にとって必要なものを自分の力で手に入れる」ことです。これはあくまで「必要」であって、「欲しい」ではありません。先ず、どんな人でも衣食住は必要になります。これらを全て、自分の稼いだお金で手に入れるのです。いつまで経っても親の脛をかじり、職を持たない内はどんな人も大人とは言えません。

 

また、必要なことは個人差があっても不思議ではありません。ある人にとっては「自分の好きな仕事をする」ということが生きる上で絶対に譲れないことかもしれません。ある人にとっては「家庭を持つ」ということが必要なことかもしれません。

 

人は何よりも先に自分が生きる上で絶対に必要だと感じることを見つけ、それらを全て自分の力で手に入れなければなりません。これが満たされれば、項目2を満たす努力を始めましょう。

 

項目2:基準

 

次に満たすべきことは、「自分にとって必要なものを維持する為の基準を設ける」ことです。家庭を作り、家族を養うのに十分な職に就けたとしましょう。次に必要なことは、常に努力を続け、自分が得た家庭と収入源を維持することです。その為には職を失わないようにきちんと会社に出向き、休日には家族と一緒に過ごすことが必要でしょう。健康に気を使って、適度な運動や整った食生活も必要かもしれません。

 

こういった努力が、項目1で手にした必要なものを維持する為の基準となります。これもまた個人差がある為、自分にとって適切な基準を設け、それを守り続ける必要があります。

 

項目3:境界

 

次に満たすべきことは、「自分と他人の間に境界線を引くこと」です。言い換えれば、自分の境界に土足で踏み込んでくるような存在を人生から切り離すということです。

 

自分が職と家庭を持ち、適切な基準を設けたことでそれらを維持し続けていたとしましょう。そんな時、自堕落な生活を送り多額の借金を背負った友人が現れ、連帯保証人になってくれと頼まれました。ここで友人の為に保証人になることは人助けをしているように思えるかもしれませんが、自分が借金を払うことになり家庭を支えきれなくなってしまえば、元も子もありません。関係を断たなかったことで友人は自分の領域に踏み込み、荒らしていったことになります。

 

つまり、項目1と2を満たすことが出来たのなら、周りの人にもそれを守ってもらう必要があるということです。自分にとって障害となるような存在は、自分自身と守ってきたものから切り離さなければなりません。そういった意味で、関係を築く人間に対しての基準を設けるとも言えるでしょう。

 

項目4:欲しいもの

 

最後に満たすべきことは、「これから自分が得たいものを探すこと」です。自分が生きる上で必要なものを手にした後、自分を今以上の高みへ導く為の目標を設定することが最後の項目になります。

 

「贅沢をしてみたい」「趣味に力を入れたい」「出世したい」「社会に貢献したい」

自分の力で生きていけるようになれば、目標や夢を自由に持つことが出来ます。必ずしも設定した目標を達成する必要はありません。自由な時間を使って自分をより成長させようとする志が重要であり、それを持つことが出来れば成熟した大人になることが出来るでしょう。

 

現実社会との矛盾

 

一つ面白いのが、上記の考え方は社会の考え方の正反対とも言える点です。多くの人は自分にとって必要なものではなく、自分が欲しいものを先に手に入れようとします。小学生の頃、将来何をしたいか、どんな人間になりたいかを聞かれた人は多いと思います。幼い頃から将来を見据えて生きること、夢に向かって努力することが世の中では良いことだという風潮があるように感じます。

 

しかし、この記事で紹介した考えに基づけば、自分のやりたいことばかりを先に考えるのは良いことだとは言えません。自分自身の生活を支えることが出来ない状態、必要なことを意識し満たせない状況下では、そもそも自分が将来どうなりたいかを考えるのは難しいでしょう。これは特にSJタイプに属すESTJ・ESFJ・ISTJ・ISFJに顕著です(Niの弱さ故)。仮に運よく自分の夢を叶えたとしても、それを維持する自分・他人に設ける基準が無くては、得たものもすぐに失うでしょう。

 

まとめ

 

この記事の要点をまとめると:

 

1. 人が精神的に成熟し大人になる為には4つの項目を満たす必要がある

2. 項目1:自分の人生において必要なものを決め、それを自分の力で手に入れる

3. 項目2:自分が得た必要なものを守る為の基準を自分に設ける

4. 項目3:関係を築く相手に基準を設け、自分自身と得たものを守る

5. 項目4:自分の人生において欲しいものを得る努力をする

 

今まで自分を成長させる為に必要なこと、大人になるということの意味を知らずに生きてきた人は、自分を含め多いでしょう。しかし、将来の目標・やりたいことが分からなかった人でも、成熟することは可能です。