全ての心理機能が持つ共通点、タイピングに関する注意点について
今回は8つの心理機能に共通する点について、そして心理機能を通してタイピングを行う際の注意点について、個人的な見解を述べたいと思います。
心理機能=欲望の形
自分は最近、8つの心理機能はどれも「人が持つ欲望」を体現しているのではないかと思うようになりました。考えてみて下さい。どの機能においても、○○したい、といった願望を持つ側面が存在します。世界や他人に働きかける外向機能であっても、何らかの見返り(=欲望)を求めています。
Siなら「自分が望む経験を得たい・必要とされたい」
Tiなら「正しさ・真理を追い求めたい」
Seなら「経験を受け取ってくれる忠実な人を見つけたい」
Feなら「皆を幸せにし良い人間だと思われたい」
これはつまり、「人は欲深い存在である」ということ。そしてこれはどの性格においても言えることであり、例外は存在しません。
これを聞いて悲観する人・絶望する人はいるかもしれません。が、欲深いことは悪いことでは無く、寧ろ大切なことだとすら思えます。人は欲望を持っているからこそ行動します。無欲な人間は生きる必要性すら感じないでしょう。何も必要とせず、何も求めない訳ですから。私達が今生きる努力をし、存在し続けているのは、私達が皆等しく欲深いからです。
そしてもっと重要なのは、欲望こそが「生産の糧」だということ。己が欲望を満たそうとする時、人は少なからず何かを生み出します。上記の例で考えてみましょう。
Siなら「自分に良い経験を与え、自分を必要とする人を見つける」為に「他者に尽くす」
Tiなら「正しさ・真理を追い求める」過程で「社会に役立つアイディアを生み出す」
Seなら「忠実な人を見つける」為に「他者に良い経験を与え楽しませる」
Feなら「皆を喜ばせる・良い人間だと思われる」為に「他者を思いやる言動をとる」
無論欲望には節度が必要です。一つの欲望だけを追い求めるのは、傲慢さや不安定さをもたらします。自分の理想を思い描き続けるだけのNiが「やってみたい」で終わってしまったり、自らの善に絶対的な自信を持ったFiが他者を悪人だと決めつけたり。
だからこそ人は複数の機能を扱う力を持っており、より多くの機能を使いこなせるようになるにつれ「成熟」するのではないでしょうか。特にChild・Inferiorといった、手の届く範囲の機能を鍛えるべきなのはそういった理由でしょう。
「何」ではなく「何故」
話は変わりますが、タイピングをする際に「○○しているからこの機能を使っている」という風に、行動・結果だけに注目して分析している人はいるかと思います。確かに各機能によって出がち・やりがちな行動はあります。ただ、一概にそう言えないパターンも多いです。
分かりやすい例として、F機能とT機能による行動を比べてみます。
例えば募金をした人がいるとします。これは一見道徳的・倫理的な判断、つまりF機能を使った行動だと言いたいところですが・・・。
その行為がFiによって下されたのであれば「苦しんでいる人を助けることは人として良いことだし、自分は良い存在でいたい」といった理由。この場合Fiを使った判断になるので、問題はありません。
ではTi・Te的な理由で募金をする人はいない、と言えるのでしょうか。「貧しい国への投資と考えれば、将来的にその国が発展し世界をより進歩させうる=より効率的な社会になる」。これはF機能の良し悪しでは無くT機能の正誤的な判断です。Ti・Teが募金をすべき、と判断してもおかしくはないのです。
つまり同じ判断でもそこに至った道のりや理由が違う可能性があるので、「何故そう判断したか」を考えなければならない、ということです。そういう意味で「何をしたか」という表面的な情報ではなく、「何故そうしたか」という内面的なモチベーション・動機を知ることが大切です。
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