INTP－探求的な開拓者
今回はINTPについて解説します。「知的」「学者肌」「独創的」―こういった言葉がINTPを端的に表しているでしょう。おっとりしていたり寡黙な為偏見を持たれやすいですが、誰よりも強い知的好奇心と真実を捉える力を備えています。INTPの例として浮かぶのはデスノートの「L」、ナルトの「奈良シカマル」等です。INTPのCognitive Functionの並びは以下です。
1. Hero： 内向的思考（Ti）―論理的に考える力
2. Parent： 外向的直感（Ne）―他人の願望・未来・可能性を感じ取る力
3. Child： 内向的知覚（Si） ―自分の経験を記憶として蓄積する力
4. Inferior： 外向的感情（Fe）―倫理的に考え、他人の感情を読み取る力
5. Nemesis： 外向的思考（Te）―合理的に考え、他人の考えを読み取る力
6. Critic： 内向的直感（Ni）―自分の願望・未来を感じ取る力
7. Trickster： 外向的知覚（Se）―現実を把握し経験を与える力
8. Demon： 内向的感情（Fi） ―道徳的に考え、自分の感情を把握する力
Cognitive Function（Ti・Ne等のアルファベット）や性格分析に使われている理論（Hero・Parent等）について詳しく知りたい方は、是非過去の記事を参考にしてみて下さい。
必ず答えを見つけ出す
INTPに解けない問題は無い。こう言っても過言では無い程、INTPの論理的思考力は強靭です。自分の考えに絶対的な信頼と自信も持っており、自分の正しさを疑うことは無いでしょう。
自分の頭を使うことに楽しみを覚える為、思考にふけることも多いです。常に何かを考えていたい。常に謎を解いていたい。当然ながら知的好奇心も相当なものです。
色んな可能性を見せてあげたい
INTPにNiをぶつけ、自分の願望を伝えてみて下さい。
「こうすれば良いと思う」「こんなことも出来るよ」
伝えた目標を達成出来るように助言するだけでなく、更なる目標を見つける手助けをしてくれるでしょう。これはParentであるNeによるものです。
INTPは他人の願望に敏感で、周りの人の未来をより良いものにしたいと思っています。その為に責任を持って色んな可能性を模索し、出来るだけ多くの選択肢を与えます。勿論Parent故の冷静さもあり、時には他人のNiを否定することも厭いません。Tiの論理性と合わさり、「それは○○な理由でやらない方が良い」と忠告してくれます。
自身も色んな可能性を見てみたいと思っているでしょう。これから世界がどう変わっていくのか、どんな目新しい発見が起きるのか。関心を持つのは可能性の世界です。
INTPのTricksterはSeです。そういう意味で「今の世界がどんな場所か」に興味は無く、「今の世界がどんな場所になっていくか」を考えることに時間を費やすでしょう。
真理を追い求め、知を開拓する者
「この世界・宇宙を動かしている原理とは何か」
INTPを突き動かす衝動、追い求める真理。それは世界の原理なのではないでしょうか。世界というパズルをバラバラにし、ピースを一つづつ分析し、論理的に組み立て、理解する。それを続けることでたどり着ける境地こそ、INTPが追い求める「正しさ」だと自分は思います。
これはTiとNeによってもたらされる一面でしょう。HeroであるTiは常に自分が納得出来る答えを求めています。自分の頭に浮かんだ謎を解き明かしたい。問題の解を導き出したい。これが原動力となります。
仮に謎を一つ解いたとしましょう。INTPはここで満足などしません。ParentのNeがありとあらゆる可能性を模索させるのです。「この場合はどうなるんだろう」という疑問が無数の可能性を見せ、新たな謎を提示します。
こうして答えを見つけ続ける中で、いつしかINTPは興味を持った分野での研究を極めていきます。これは正しく知という畑を耕す行為であり、周りの人間に新たな知識と基盤を提供します。研究者に多いと言われたり、最も賢い性格だと言われるのも納得がいきます。
平和と安らぎを愛する心
INTPの忍耐力や忠誠心には、ISFJである自分でさえ驚かされる時があります。ChildであるSiは、その純粋さで時にはHero・ParentのSiをも凌駕します。
INTPにとって、平穏な環境はとても大切です。誰にも邪魔されず、一人でゆっくり過ごしたい。自分の頭の中の世界に浸っていたい。こう思う人が殆どです。経験に関する記憶力も高く、同じ昔話や過去の経験を何度も話がちだと言われます。
Siが発達している性格の例に漏れず、高い忠誠心で仲の良い人にはとことん尽くすでしょう。しかし、これは時に災いを引き起こすこともあるのです。
「夫・妻からのDVに十年以上耐え続けた」―こんなINTPの話を何度か耳にしました。純粋すぎる忠誠心は、パートナーに酷い仕打ちを受けても耐え続けてしまうことに繋がることがあります。これはTricksterであるSeも関わっています。危険な状況に陥っても行動を取ることが出来ず、環境を変えることが出来ないまま生き続けてしまう。こんな危険性もあるので、注意が必要です。
不器用なりの優しさ
INTPに関して言いたいことがあります。彼・彼女らは、「冷たい人間」等ではありません。
Fi Demon故、INTPはよくサイコパス・感情の無い機械、という風に思われがちです。が、これは全くの勘違いです。何故か。InferiorであるFeは、誰よりも他人の感情に対して敏感だからです。
誰かと話しているINTPがいたとしましょう。自然に接していたつもりが、何気ない一言で相手を傷付けてしまった。こう気付いた時、かなりの不安と恐怖がINTPを襲います。誰も傷付けたくない、嫌な思いをさせたくない。こういった気遣いは、間違いなく一つの優しさです。
INTPは人間関係を築くこと、人と接すること、自分の倫理観―こういった他人の感情を察知し尊重することがストレスになりがちです。悪気無く他人を傷付けてしまい、その度に冷徹や無感情と言われれば誰しも人が嫌いになります。それこそ本当の意味で「心が無い機械」を生んでしまうでしょう。
こういったことを避ける為にも、INTPと接する際は普段より広い器を持って接して欲しいです。
自分より賢い人なんていない
「自分以外の考えは間違っているのではないか」
この不安の源は、NemesisであるTeによるものです。
INTPは他人の考えに対して疑問を持ってしまいがちです。これは時に自分の頭脳を過信したり、他人を馬鹿だと決めつけてしまうことに繋がってしまいます。
「自分の考えが周りに受け入れられないのではないか」
こう思うこともあるかもしれません。Teは客観的な正しさに関連しているので、自分の導き出した答えが客観性に欠けるという不安を持つINTPがいても不思議ではありません。
どちらの恐怖であれ、HeroであるTiを活性化させるのに役立ちます。他人の考えが信用できないにしろ自分の考えが至らないにしろ、時間をかけて自分の頭で処理することでより正しい答えを生み出そうとします。こうして生まれた考えを植え付けることが出来れば、他人を手助けすることにも繋がります。
自分の未来は慎重に選ぶ
「間違ったものを欲している」「自分の未来は考えたくない」
CriticであるNiは、時にINTPを必要以上に悩ませ、優柔不断にさせてしまいます。自分の願望や目指したい目標等を感じ取っても、すぐに否定してしまう。間違った選択を恐れているのです。これは最悪「選択の放棄」という形にまで悪化することがあり、怠けてしまったり現状に甘え続ける人間になってしまいます。先述したDVの話は、Niとも関係しているでしょう。
しかし、Criticにも強みはあります。やたら無暗に無謀な願望を追い求めることはせず、きちんと考えた上で行動を起こす。常に自問自答を続ければ、本当に欲しているものを得ることが出来るでしょう。
まとめ
INTPの特徴を簡単にまとめると：
- 論理的に考え、自分が納得できる答えを常に持っている
- 冷静に他人・世界の未来を予見し、他人の願望に敏感
- 常に可能性を模索し、真理を追い求めるかのように答えを探し続ける
- 忍耐力と忠誠心が強く、落ち着いた環境にいたい
- 他人の感情を傷付けることが不安で、人間関係を築くことに臆病になることも
- 他人の考えを受け入れることに抵抗がある
- 自分の願望や未来には慎重で、本当に欲しいものだけを追求する
となります。
