Psyentific Blog - 16の性格

Psyentific Blog - 16の性格

自分・他人の性格を詳しく分析する方法を知りたい人の為に

性格分析の理論を解説3:8つの機能はどうやって性格を形作るのか

今回は法則に従って並べられた8つの機能(Cognitive function、以下CF)がそれぞれどのように人の長所と短所を決定付け、性格を形作るかについて解説します。

 

法則は理論的な部分が大きい為、少し理解が難しいかもしれません。知らなくとも性格を分析することは出来ます。興味があれば下記を参考にして下さい。

  

psycjunkie.hatenablog.com

 

 

 

 

 

発達度合いが決める長所と短所

 

先ず前提として、人は全てのCFを常に使っています。殆ど発達していないとは言え、7番目や8番目にあるCFが機能していない訳ではありません。しかし、以前言ったようにCFには発達度合いの違いがあります。この偏りが各CFを使う頻度や、どれだけ上手く扱えるかを左右し、人の長所と短所を決定付けます。

 

Attitudeー各機能が持つ8種類の性質

 

CFは性格の長所と短所を形作りますが、実はそれだけではありません。CFが1~8番に並べられた際、それぞれが異なる「Attitude」を持つと考えられています。これはユングのモデルで登場した「Attitude Type」とは全くの別物なので、注意して下さい。AttitudeはCFの性質や働き方の様なもので、人の自信、責任感、不安―こういった細かい要素を形作る要因になります。

 

基本的に、奇数のCF(1・3・5・7番目)は前向きで楽観的な性質(Attitude)を持っており、ストレスや精神的な苦痛を感じずに使うことが出来ます。結果、人の自信やポジティブな一面を形作ります。これに対し偶数のCF(2・4・6・8番目)は悲観的な性質を持っており、使うことを意識する際にストレスを感じやすいと言われています。結果、人の不安定な部分等を形成し、あまり好んで使用されません。

 

1.Hero―頼れる英雄

 

1番目のCFが持つAttitudeは「Hero」と呼ばれ、人の最大の長所や自信のある一面を形作ります。ヒーローという名前が示唆する様に、非常に強力で、自分が最も頼りにしている機能です。その為使うことで精神的に疲れることは無く、使うことに抵抗もありません。

 

最も発達したCFであるHeroが得る情報や下す判断は的確で頼りがいがあります。しかし、自信や楽観性があだとなり、時には傲慢・身勝手に立ち振る舞ってしまう危険性もあります。

 

2.Parent-冷静な監視者

 

2番目のCFは「Parent」と呼ばれ、人に責任感をもたらします。Hero程ではありませんが発達しており、それなりに意識して扱うことが出来ます。Parentは幼少期の間はあまり使われませんが、人が成長し大人になるにつれて発達すると言われています。

 

直訳すれば親となるように、Parentは人に冷静さや責任感を与えてくれます。悲観的ではありますが、自信に満ち溢れ時に暴走してしまうHeroを監視したり、後述するChildを守るという大切な役割を持つCFです。しかし、偶数のCFなので意識的に使えばある程度の精神的負荷がかかります。

 

3.Child-純粋な子供

 

3番目のCFは「Child」と呼ばれ、人の最も純粋な一面を表しているとされます。Hero程の強さやParentの様な責任感はありませんが、時にはその純粋さが他にはない価値を生み出すこともあります。

 

ChildとParentは所謂親子の様な関係性があり、時にChildがParentによって抑圧されることがあります。一見良くないことのように思えますが、一概にそうではありません。Childは子供の様に身勝手に機能してしまうことがあり、これを避ける為にParentの監視は必須です。

 

またChildは人の最も純粋な部分なので、傷付きやすいとも言われます。この為にもParentによる保護は重要です。

 

4.Inferior/Aspiration-不安の種/憧れ

 

4番目のCFは「Inferior」と呼ばれ、人の最も不安定な部分を形成しているとされます。Inferiorはそれなりに発達はしているものの、扱い慣れていない為意識して使うことはストレスになりがちです。その為Inferiorを通して得た情報や下した判断に自信を持つことが出来ず、結果として人の不安や恐怖になってしまいます。

 

ですが、InferiorはAspiration-つまり憧れの象徴とも言われています。Inferiorが発達し自分の恐怖を克服することが出来れば、前向きな気持ちで使うことが出来るようになります。

 

5.Nemesis-自分の中の敵

 

5番目のCFは「Nemesis」と呼ばれ、Inferiorと同じように恐怖や不安を表しているとされます。Nemesisは自分にストレスを与えてくる存在ですが、上手く利用できれば自分を突き動かす動機になります。

 

Nemesisは1番目のCFのHeroと敵対関係にあり、ストレスを与えることでHeroを強制的に機能させようとします。一見悪影響を及ぼしている様にも思えますが、Heroに意識を向けることは生きる上で大切なことです。自分の最大の強みや原動力である以上、それを自覚して使わないことは非生産的です。自分の持つポテンシャルを最大限発揮する為にも、Nemesisによるストレスや恐怖と向き合うことは大切です。

 

6.Critic―辛口な評論家

 

6番目のCFは「Critic」と呼ばれ、人の最も批判的な部分を形作ります。ここのCFが内向的(I)だと自分に対して批判的になり、外向的(E)だと他人に対して批判的になる傾向があります。

 

Criticは自己矛盾を孕んでいるとも言われており(例:Criticの機能を扱えていない他人を批判するが自分も上手く扱えていない)、上手く扱えない間は自他を過度に否定してしまいます。しかし、発達することで建設的な批判を可能にし、自他に教訓や冷静さを与えてくれます。

 

7.Trickster-無自覚な弱さ

 

7番目のCFは「Trickster」と呼ばれ、自分が意識すらできない弱点を表しています。Tricksterはほとんど発達しておらず、ほとんどの場合意識的に扱えることが無いとされています。

 

別名「Blindspot」と呼ばれており、直訳すると死角となります。このCFは他人からは扱えていないことがすぐに分かりますが、自分ではそれを察知出来ません。ただ、前向きな奇数のCFではあるので、本人の視点からはきちんと使えていると感じさせる、もしくは使えないことに対するストレスが無いという面白い面もあります。

 

8.Demon-破滅の力

 

8番目のCFは「Demon」と呼ばれ、その人が最も苦手とする部分が現れます。Trickster以上に発達していない機能で、意識して使えないどころか使うべきではないとさえ言われています。

 

Demonは人が追い詰められ、他のどのCFを使っても対処できない状況下において初めて意識的に使われます。この状態で機能するDemonはHero以上に強力で、自他共に壊滅的な悪影響を及ぼします。なので、何があっても人のDemonを呼び覚ます行為は避けましょう。

 

まとめ

 

今回の記事の要点は以下です:

  

 1. 8つのCFは全て機能しているが、発達度合いが違う

 2. この違いにより各性格の長所と短所が決まる

 3. CFは並べられた際にそれぞれAttitude(性質)を持つ

 4. Attitudeは各性格の細かい特徴を形作る 

 

次回は実際に性格が何種類に分けられるのか、そして各性格の名称について解説します。

 

psycjunkie.hatenablog.com