Psyentific Blog - 16の性格

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自分・他人の性格を詳しく分析する方法を知りたい人の為に

内向型が外向型、外向型が内向型になる方法

f:id:PsycJunkie:20190510124834p:plain出典:https://www.16personalities.com/

  

「人の性格は変わらない」-果たしてこれは本当なのでしょうか。あんな性格、こんな性格になりたい、そう思う人・思ったことがある人は多いと思います。

 

「内向的だけどもっと気軽に他人と接したい」「外向的だけど周りに流されない強さが欲しい」

 

こういったことを実現すること、簡単ではありませんが十分可能です。どうすればいいのか。それは自分の持つ4つの人格(タイプ)を使い分ければいいのです。

 

前回も言いましたが、人の性格は8つの機能の並びによって定義されます。この並びは変わりません。つまり、厳密にいえば人の「性格」は一度定まれば変わることはありません。

 

ただ、性格というのは4つの「タイプ」の集合体でもあります。タイプは4つの機能の並びによって定義されるもので、それぞれのタイプはEgo・Subconscious・Unconscious・Superegoと呼ばれます。人は常に4つの内1つのタイプを使っており、それによって表面化する性質や特徴が変わる訳です。

 

タイプの定義と成り立ちについては:

psycjunkie.hatenablog.com

 

各タイプが持つ性質、そしてどうすれば各タイプを扱えるようになるのか。これらが今回のテーマです。

 

そもそも4つのタイプを使い分ける意味などあるのか。そう思っている人もいるでしょう。一言で言うなら、「人生が豊かになる」―これが最大の恩恵です。4つのタイプをマスクのように考えてみて下さい。一人でゆっくりしたい時のマスク、友達と遊ぶ時のマスク、会社で働く時のマスク。このように、使えるマスクの数が増えれば増える程、より多くの状況に対処できるようになります。これまでは上手く接することが出来なかった性格の人達や、ストレスだと感じていた状況。これらに上手く適応し、自分の可能性を広げることが出来るのです。

 

この記事はある程度の予備知識があった方が楽しめるので、まだ読んでいない方は:

psycjunkie.hatenablog.com

 

 

 

 

 

Ego-最も扱い慣れた主人格

 

1つ目のタイプであるEgo、これは扱うことが簡単です。Egoはその人が最も落ち着いている、もしくは自然体な状態で、「素」の自分とも言えるでしょう。扱い慣れているだけあって強力なタイプで、その人の長所が一番分かりやすい状態です。基本的にEgo以外のタイプを使うとストレスや精神的負荷がかかる為、リラックスする際に「戻ってくる」タイプとも言えます。

 

今回も例としてINFPを使用します。

 

Ego:機能の並び=INFPのHero~Inferior

1. Fi

2. Ne

3. Si

4. Te

 

INFPのEgoは「性格」と同じように、「INFP」です。自分のモラルを貫き通し、常に善人でいようとする姿勢。他人の願望に敏感で、望みを叶える為に可能性を広げる。この様に、INFPのEgoはINFP本来の長所を明確に体現しています。

 

ただ、Egoは決して完璧なタイプではありません。その自信や力故、傲慢になってしまったり、考え・価値観に対する固執にもつながる危険性があります。INFPの場合だとFiによる「自分の道徳観」に固執するあまり倫理観(他人の道徳観)に目を向けられなかったり、Siで行動を取らず怠けてしまう。この様に自分の可能性や成長を妨げることもあります。

 

何故Egoを扱うのは容易いのか。それは自分のHeroを扱うことが出来れば、Egoにアクセス出来るからです。言ってしまえば自分の性格が確立した瞬間に使えるようになるタイプなのです。

 

Subconscious-憧れの象徴

 

2つ目のタイプであるSubconsciousは、その人の憧れを体現していると言われています。INFPの場合だと「ESTJ」がSubconsciousになります。

 

Subconscious:機能の並び=ESTJのHero~Inferior

1. Te

2. Si

3. Ne

4. Fi

 

普段は控えめで柔らかい印象を与えるINFPですが、ESTJになることで一転。合理的な判断でドンドン周りを効率化していき、グループをまとめる真面目なリーダーになれるのです。

 

ではESTJのEgoと、INFPのSubconsciousを比較すると、どんな違いがあるのでしょう。どちらも同じESTJのタイプです。

 

SubconsciousはEgoと比べると、やはり長期的な力や総合的な評価では一歩劣るでしょう。INFPが長い間Subconsciousを使いESTJになったとしても、本元であるESTJにはいずれ引けを取ります。ただ、SubconsciousはEgoに比べて「純粋」だと言われています。先述したEgoが抱える傲慢さや怠慢さを持たず、一時的にEgo以上の力を発揮出来ます。

 

 

Subconsciousを使いこなす為には、4番目の機能であるInferiorの恐怖を克服する必要があります。SubconsciousのHeroは、性格でいうInferiorになる訳ですからね。

 

では具体的にはどうすべきなのか。個人的には、少しずつInferiorを使うことを意識し、慣れていくしかないと思います。INFPだとTeなので、書物等から他人の考えをまとめながら取り入れたり、小規模の予算を管理してみる、等ですかね。Inferiorの扱いに慣れた後は、積極的にSubconscious状態になることを意識してみて下さい。

 

一つ覚えておいて欲しいのは、Subconsciousを扱えるようになるのは簡単ではありません。Inferiorを使ったり、Subconscious状態を維持するのはかなりの負荷がかかるでしょう。なので決して焦らず、少しずつコントロール出来るようにするべきだと思っています。また、Subconscious状態に浸り過ぎないのも重要だと思っています。あくまでこれはサブウェポンだと思って下さい。

 

Unconscious―ストレス下の人格

 

3つ目のタイプであるUnconsciousは、プレッシャーを与えられたり、ストレスを感じた際に現れると言われています。そういう意味で、Subconsciousよりも最初のうちは使っているタイプだと言えます。

 

Unconscious:機能の並び=ENFJのHero~Inferior

1. Fe

2. Ni

3. Se

4. Ti

 

INFPの場合だと、ENFJがUnconsciousになります。例えば初対面の人と話したりする際、ある程度のプレッシャーがありますよね?第一印象に気を遣ったり、なるべく打ち解けられるよう、それなりに皆努力します。普段は物静かで自分の世界に浸りがちなINFPでも、積極的に会話を投げかけて皆を楽しませようとしたり、場を和ませようとするでしょう(Fe+Se)。ただ、あくまでこれは「仕方なく」やっていると言うべきです。

 

Unconsciousを使いこなす為には、5番目の機能であるNemesisを克服しましょう。Subconsciousと同じように先ずはNemesisを使うことを意識し、それからUnconsciousを使うことに慣れていきましょう。Subconsciousと同じように、これはかなりの負荷やストレスになります。決して無理はしないように。また、Subconscious同様Unconsciousもサブウェポンだと捉えるべきでしょう。

 

個人的には、Unconsciousよりも先にSubconsciousの扱いをマスターするべきだと思っています。というのも、Subconsciousは「憧れ」でもあるので、それなりに前向きに使うことが出来ると思うんです。これに対しUnconsciousは「嫌々」使うことになることが多いので(少なくとも最初の内は)、モチベーションを保つ為にも後回しで良いと考えています。NemesisはInferiorよりも発達していない、という点も考慮するべきですね。

 

Superego-核爆弾のスイッチ

 

4つ目のタイプであるSuperego。これはその人の最も恐ろしい一面が隠れているタイプで、最も不健全な状態です。殆どの場合コントロールすることが不可能で、この状態になると自他共に壊滅的な影響を及ぼします。100回使って数回役に立てば良いかな、というレベルで扱いが難しく、容易に手を出すべきではありません。

 

Superego:機能の並び=ISTPのHero~Inferior

1. Ti

2. Se

3. Ni

4. Fe

 

INFPの場合、ISTPがSuperegoになります。本来Demon、TricksterであるTiとSeが活発になるとどうなるのか。自分の道徳観を全てかなぐり捨てて、ただただ周囲を破壊してまわる大量破壊兵器になってしまう訳です。具体的な例を挙げると、INFPと同居していた人が別れを告げ外出した後、家に帰ってみると家中の家具や壁、挙句の果てには車までもが破壊されていた、という話を聞いたことがあります。端的に言えばこういう状態です。ただSuperegoは基本的には表に出てこないので、INFPがこんなことを頻繁にする、等とは思わないで下さい。

 

そもそも何故こんなタイプが存在しているのか。それは「自己防衛」です。人は誰しもInferiorという弱点があります。不安定で脆い部分があると知っているからこそ、それを何とかして守らなくてはならない。Inferiorを攻撃されたり、何らかの問題に遭遇した際、人は最初にEgoを使います。それで解決できなければ、Subconscious・Unconsciousを使います。しかしそれでもまだ解決できない。そこで出てくるのが最後の砦であるSuperegoです。

 

Superegoが出たからには何としてでも問題の根源を断たねばなりません。逆に言えば、手段を選ばない訳です。自分や他人がどれだけ傷付こうとも、問題さえ解決すれば良い。こういう考えのもとSuperegoは働くのです。例えるなら、核爆弾のスイッチの様なものなのです。

 

理論上、自分のDemonを扱えるようになればSuperegoもコントロール下におけることになります。ただ、先述したようにこれはあまり現実的ではありません。出来たとしても、数十年の年月と周りからのサポートが必要となるでしょう。仮に扱えるようになっても、ほんの少しの助力を得る程度です。3つのタイプを扱えるようになった後、ほんの少しずつDemonを意識する、程度に留めておきましょう。

 

まとめ

 

この様に全ての性格は4つのタイプを持っており、それぞれ異なる性質や特徴を持っています。生きていく上でEgo・Subconscious・Unconscious(あわよくばSuperego)を扱えるようになる、という目標を持っておけば、人としての成長・精神的な成熟も助長してくれるでしょう。