Psyentific Blog - 16の性格

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自分・他人の性格を詳しく分析する方法を知りたい人の為に

ESTJの「魅力」「抱えやすい問題」「成長する方法」について

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出典:https://www.16personalities.com/estj-strengths-and-weaknesses

 

優れた管理者であるESTJ。迷いなく周りを効率化していく合理性、そして必ず期待に応えようとする忠実さで、確かな地位と信頼を築いていきます。

 

今回はそんなESTJについて、これまでの解説以上に踏み込んでみたいと思います。理想的なESTJはどんな存在なのか。成熟したESTJはどのようにSubconscious・Unconsciousを使いこなすのか。そして何より、不健全時、Superego状態になった時、どの様な恐ろしさが顔をのぞかせるのか。こういった部分に着目します。

 

まだESTJの概要を掴んでいない方は先に:

psycjunkie.hatenablog.com

  

Subconscious・Unconscious等については:

psycjunkie.hatenablog.com

  

psycjunkie.hatenablog.com

 

 

 

 

ESTJの美徳―静寂と秩序をもたらす番人・成功をもたらすアドバイザー

 

ESTJがESTJとしての真価を発揮する時。それ即ち環境に秩序をもたらす存在になった時です。人が秩序無く行動し、全く統率が取れていないような状況にESTJが現れたとしましょう。たちまち強力なTeで周りを効率的に管理し始め、Siが望む秩序だった環境を作り出します。

 

この過程を妨げることは一筋縄ではいきません。何しろESTJは個人の感情や気持ちに流されることはありませんし、客観的な正しさを植え付けることに一切抵抗が無いからです。周りの考え方を吸収し、変えていくことで秩序をもたらす。Heroである楽観的なTe、そしてFeがDemon故の強みです。

 

更にESTJは自分の望む環境や経験に対して強い拘りと責任感があります。「自分が落ち着ける環境=秩序だった環境」を用意することに、義務感を感じていると言っても過言ではありません。一度完成した箱庭を乱すこともまた許さないでしょう。

 

あまり注目されませんが、ESTJは純粋なNeの持ち主でもあります。これがTe・Siと組み合わさると「優秀なアドバイザー」の誕生です。

 

「こんなことをしてみたい」―同僚や上司、誰かが自分の願望を伝えたとしましょう。もしかすると伝える前に察してくれるかもしれません。Neが育ったESTJであれば、瞬時に的確なアドバイスを提供出来ます。これまで蓄えてきた知識と経験(Te・Si)が存分に活かされ、他人の未来に役立てるからです。アドバイザーになったESTJは誰よりも他人の成功を願い、その為には自分が持つ情報・リソースを提供することをいとわないでしょう。当然無謀な提案や助言はしません。きちんとTeで合理的な解を導き出し、Neで相手の未来を読み切るからです。

 

ESTJの悪徳―現状に甘んじる怠け者・権力にひれ伏す権威主義

 

ESTJが真価を発揮出来ず、問題を起こしてしまうのはどういう時か。一つは怠けてしまった場合です。

 

これには2つの意味があります。一つ目は文字通り、やる気が出なかったり気分が乗らなかった際。Siで「現状を維持し続ければ良いや」と感じたり、Fiで「今は動く気分じゃない」と感じてしまったり。いずれも悲観的な為頻繁に起こる訳ではありませんが、あり得なくはない話です。

 

二つ目は権限が無い場合。どちらかというとこちらの方が深刻で、ESTJは力を与えられなければ周りを管理出来ない、と感じることも多いです。これは恐らくTeとSiの悪い面。権力や地位等客観的に認められたもの(Te)に依存し、積極的に動かず他人から課題やタスクを与えられるのを待っている(Si+Ni Trickster)。極端な話、上司や上から権限と指示を与えられない限り、本来の役目である統率と管理が出来ないのです。

 

こうなったESTJは投げやりになってしまい、職務を放棄します。自分の周りの混沌を制御する気が起きず、放置してしまう。結果更なる混沌を生み、誰も目標に進めない・成果が出ない環境の出来上がりです。

 

似たような問題として挙げられるのが、「思考の放棄」です。これはTeユーザーにありがちな話ですが、ESTJは特に問題です。Teが楽観的過ぎる故、「著名人や権力者の考えなら間違いないだろう」という一種の傲慢さを持っているのです。Siは権威主義的な一面もある為、この問題を一層際立てます。結果自分で情報や知識の真偽を確認せず、鵜呑みにしてしまう。良いように利用されたり言いくるめられたり、権力者の思う壺という訳です。

 

自分で考える力を養う為にも、Unconsciousを使え

 

上記の悪徳に関する問題に対処するには、UnconsciousであるISTPになるべきだと考えています。Ti Heroの論理的思考力、そしてSe Parentの影響力を持ってすれば、他人の考えに流され過ぎず、積極的に行動することが可能です。その為には先ずNemesisであるTiを使いこなさなければなりません。

 

では具体的にどうすればいいのか。ESTJの場合、やはりTeとSiに頼るべきでしょう。端的に言えば、「出来るだけ多くの知識と経験を積め」ということです。

 

Te Heroなら日常的に他人の考えに触れている筈です。会話等人との接触でも勿論、読書・勉強でもそうです。他人から知識を吸収するのが好き。この長所を活かし、兎に角色んな知識・考え方を取り入れる努力が大切です。

 

Si Parentは自分の失敗から学ぶ際に有効です。仕事が上手くいかなかった時、プロジェクトが失敗に終わった時。落ち込まずに「学びの機会」と捉え、次に活かすことを意識しましょう。

 

こうして知識と経験が蓄えられるということは、自分で考え実行してみる力も得ることを意味します。色んな考え方を互いに照らし合わせてみて「一番納得がいく考え方はこういうものだ」と独自の解釈を見つける。「今までこういうことをしたら失敗したから、次はこれを試してみよう」と新しいことに挑戦してみる。正しくトライアンドエラー。これはISTPが普段行っていることでしょう。

 

こうしてUnconsciousを使えるようになれば、必ずEgoであるESTJを磨くことにも繋がります。もう権力者の言いなりになることもありませんし、自分で考え周りを変えていく力を得たのですから。

 

ISTP Unconsciousの有用さはもう一つあると思っています。それは経験を与えることで他人を変え(Se)、自分の望む経験を手に入れる(Si)ということです。

 

例えば他人の服装。ESTJはSe Criticなのでこういったものに大変厳しいです。変な格好やだらしない格好の人と一緒にいれば「自分に不快な経験を与えている」と感じてかなりのストレスになります。Te-Fiで「周りから変に思われる」「自分の評価も下がる」と感じることも多いでしょう。

 

ただここでISTP Unconsciousを使いこなせていれば(Seの自己矛盾が無くなっていれば)的確なアドバイスが出来、他人の見た目や立ち振る舞いを改めさせることが出来る。これは他人の為だけでなく自分が満足する経験を得ることにも繋がります。

 

哲学的で感情豊か-INFPの優しさと道徳観を得るには

 

あまり言いたくはありませんが、ESTJの人間関係は浅く淡泊になりがちです。持ち前のTeで実績・地位を使ったコネ作りは得意なのでビジネス的な人間関係は充実している。ただ合理的過ぎる故直接的な利益の無い人間関係に興味を持てない。FiとFe、良し悪しで物事を捉える機能の弱さは確実に関係しているでしょう。

 

また未熟なESTJはFi Inferior故「自分が何を感じているか」という部分に不安を持っています。これは感情は勿論、自分の価値や道徳観にも関係しています。Teを積極的に使うのは周りからの評価を集めることで、こういった自己評価的な不安を拭い去る為でしょう。

 

Fiを育てる為には自分の感情を受け入れ、自分の存在を「良いもの」と捉える必要があります。ESTJにとって最も有効なのは先述したようにTeを使うことです。皆から認められれば、自然と自分に自信もつくでしょう。自分の感情に素直になって、「正しいと思うから」ではなく「良いと思うから」と感じた判断に身を任せてみるのも良いでしょう。

 

ただ、それ以上に大切なのは哲学を知ること。善・悪とは何なのか。愛・優しさとは何なのか。Teで知識を集める過程で、哲学書等にも積極的に手を出してみるべきです。そうして学んだ数々の道徳観から、自分が信じられるものを見つけましょう。Fiに蓋をしていなければ、きっと直感に近い形で「これは良いと思う」と感じられる価値観に出会える筈です。

 

抽象的かつ道徳を問う学問でもある哲学は、ESTJのFi、強いてはSubconsciousであるINFPを育てるのに最適です。

 

INFP状態になったESTJは普段見せない顔を見せてくれます。浅く広くではなく、狭く深く。自分が素直になれる身近な人間と、抽象的で奥深い会話を繰り広げます。自らが感じた世界を時に詩的に、時に感慨深く伝える様は正しくINFPです。

 

SubconsciousとしてのINFPは従来のINFP(Ego)とは違い、あくまで一時的なものです。常に哲学を語り続けたり、合理性を忘れるようなESTJはいません。ただ、Egoにはない純粋さ、そして光輝く瞬間があるのも確か。

 

自分が思うINFP Subconsciousは「これまでの知識と経験が詰まった道徳を説くこと」が出来る存在です。

 

「善とは○○だ」「優しさとは○○することだ」

 

こういった価値観は、少なからず主観的、時には独善的とさえ言えるでしょう。Fiが強ければ強い程、「自分さえ良ければ良い」という傲慢さを抱えてしまう危険性を考慮しなければなりません。

 

しかしESTJは知識と経験、二つの強力な武器を持っています。ESTJがSubconsciousを使いこなし導き出した道徳観は、自分が見て・聞いて・触れてきた知識と経験によって作り出されたものです。本来「個人が良いと感じること」である筈のFiが、客観的な正しさ(Te)と現実で生きた経験(Si)の影響によって多角的かつ現実的な視野を獲得する。これは自分だけが納得出来るような独りよがりではなく、多くの人間の心に訴えかける、ある種の普遍性を持った道徳になるのではないか。自分はここにINFP Subconsciousの魅力を見出しました。

 

他者を苦しめる悪のカリスマ-ENFJの共感力と計画性を得る瞬間

 

ESTJにやらせてはいけないこと。それは他人を気遣うことです。

 

FiがInferiorであるESTJは、自分の感情を感じ取るので精一杯。ただでさえ自分の感じていることに不安を持っているのに、他人の感じていることまで理解するのは不可能です。これがESTJのDemon、Feです。

 

Fiを過度に攻撃され、自分のプライドや感情を傷付けられた時。ESTJ・ISTP・INFP、どの状態でも問題を解決出来なかった時。SuperegoであるENFJが目を覚まし、ESTJの最も恐ろしい一面が顔を覗かせます。

 

Fe Demonを一言で表すなら、「自分が悲しいなら皆も悲しませてやる」です。自分の気持ち・存在価値をだれも尊重してくれず、冷たい人間・悪い人間だと罵られ続ける。耐えきれなくなった時にFeが最悪の形で機能し、自分の周りにいる全ての人間に同じ苦しみを与えようとします。

 

具体的にどの様にENFJの力を発揮するのか。簡単に言えば、自分の望んだ結果(Ni)を実現する為に、不快な感情と経験(Fe+Se)を無理やり植え付ける訳です。

 

最初に機能するのはChildであるSeです。ESTJが今まで経験してきたものの中でも、特別辛い経験(Si)を他人に押し付け始めます(Se)。本来であれば他人を楽しませる筈のSeが、際限なく人を傷付ける。そこに続くのがFeによる否定です。

 

「お前は良い人間ではない」「皆お前のことを嫌っている」

 

他人のFiを真っ向から否定し始めます。しかしこれはまだ序の口。Feは感情や良し悪しという観念を共有する機能でもあります。

 

「皆もこいつは悪い奴だと思うよな?」

 

こう言わんばかりに、Feを悪用することで特定の人間の尊厳を貶め、それを周りの人間にすら認めさせることが出来るのです。こうなったが最後ESTJの思惑通りに事は運び、Superegoを引き出した人は間違いなく全ての交友関係・信頼関係を失うでしょう。

 

この様にENFJ状態に追い詰めない為にも、ESTJのFiである感情や道徳観を尊重することが重要です。また厳しい発言やお叱りを受けても、「もっと優しい言い方をしろ」等は絶対に言ってはいけません。同情したり他人の気持ちを気遣うのはESTJの役目ではない。慰めを求めるのであればFJ等のFeユーザーを頼るべきであり、ESTJにそれを求めるのはお門違いです。

 

まとめ

 

ESTJは誰よりも優秀な管理者・顧問になる素質を持っています。そのポテンシャルを全て引き出す為にも、知識・経験の蓄積は勿論、自分が納得出来る答えを導き出す力も磨く必要があります。

 

また成熟したESTJは普段からは想像できないような優しさを持ち、哲学的になれます。Fiによる恐怖を乗り越えることが出来れば、INFPに勝るとも劣らない達観した道徳観を見つけ出すことが出来るでしょう。