Psyentific Blog - 16の性格

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自分・他人の性格を詳しく分析する方法を知りたい人の為に

内向型と外向型の本当の意味

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最近巷で「内向型」「外向型」という言葉をよく見聞きするようになりました。内向型に向けた自己啓発やカウンセリング等、SNSでもよく見かけます。

 

内向的だから○○、外向型だから○○。確かにある程度の傾向があることは認めます。例えば

 

外向型:他人と接するのが好き、周りに影響を与えたい

内向型:一人でいた方が落ち着ける、自分の中の世界に浸りがち

 

等は多くの場合的確な比較だと思います。ただ、外向型・内向型に優劣関係を付けたり、的外れな偏見・勘違いを信じている人が多いと感じたので、これに関して個人的な見解を述べたいと思います。

 

 

 

 

勘違い1:外向型=図太い、内向型=繊細 

 

内向型の方が外向型よりも繊細―果たしてこれは正しいのでしょうか。自分はそうは思いません。外向型と内向型は、どちらも等しく繊細です。

 

何故か。それは全ての性格には等しく「弱点」が存在しているからです。具体的には最も不安定な機能であるInferiorです。どんな人でも自分の不安や恐怖を刺激されるのは嫌でしょう。例え外向型であっても、Inferiorを攻撃されれば内向型と同じように傷付き、動揺します。最も、Inferiorがかなり発達していて、この不安を乗り越えている人は別ですが。

 

Inferiorについては:
psycjunkie.hatenablog.com

  

例えばENTJとESTJ。これらの性格はどちらもTeをHeroに持つので、「威厳がある」「たくましい」という印象を与えがちです。しかし、仮に誰かに「モラルが無い」「悪人」「良い人間じゃない」などと言われればどうでしょう。どちらもFiをInferiorに持つ為、こういった言葉を投げかけられるととても傷付きます。仮に他人に指摘されなくても、自分がそう感じてしまえば相当なストレスがかかります。

 

このように、外向型でも内向型と同じように繊細で脆い一面を持っています。外向型は精神的にタフ、内向型は傷付きやすい、というのは完全な勘違いです。

 

勘違い2:外向型=はっきり自己主張が出来る、内向型=言いたいことが言えない 

 

外向型は言いたいことをズバズバ言えるが、内向型は言えない。これもよく聞く話です。これに関しても、全く賛成できません。

 

これは以前紹介した接し方の話になります。3つの項目の内の1つに、直接的(Direct)VS 間接的(Informative)というのがありました。基本的に直接的だと言いたいことをハッキリ言いますが、間接的だと主張をぼかしたり、回りくどい言い方をします。

 

接し方については:

psycjunkie.hatenablog.com

 

外向型でも間接的な性格は存在しています。同じように、内向型でも直接的な性格は存在しています。

 

前者の例を挙げるならESFJやENFPです。どちらも外向型ですが、あまりはっきりと言いたいことを言わない・言えない性格です。どちらかというと周りの人の意見や主張に応じて自分のスタンスを変えようとするので、ズバズバ言いたいことだけを伝えるようなことはしません。

 

後者の例としてはISTJやISTPが挙げられます。内向型ですが基本的にオブラートに包むような真似はせず、言いたいことをはっきりと言えます。自分の役割や立ち位置なども、他人の指図を受けたがらず、自分で選択しようとします。

 

勘違い3:外向型=自信家・楽観的、 内向型=自分に自信が無い・悲観的 

 

外向型は堂々として自信のある振る舞いをするのに対し、内向型は悲観的で自分を過小評価する。これも完全に偏見や勘違いの類でしかありません。

 

人は誰しも自信のある分野とそうでない分野があります。HeroやParent等、上位の機能を使うことには自信があるのに対し、Inferior以降の下位の機能にはどうしても自信が持てません。そういう意味で外向型でも自信を持てない部分、悲観的になる状況は必ず存在します。同じく、内向型でも自信を持っている部分、楽観的になる状況があります。

 

詳しくは:

psycjunkie.hatenablog.com

  

外向型が自信家・楽観的だというイメージを持たれるのは、Heroが外に働く機能だから、それだけの理由です。基本的に外交的(E)な機能は周りから観測しやすい為、他人からすると「あの人は存在感があるな(Se)」だったり「空気を読むのがうまいな(Fe)」という風に見え、自分に自信があるという印象を与えがちです。

 

TiをHeroに持つINTPが「自分の考えに自信がある」、SiをHeroに持つISFJが「記憶力には自信がある」と感じるのは至極当然のことです。ただ内向的(I)な機能は他人から認識されにくいことが多いので、あたかも内向型が自信を持っていないように見えてしまう訳です。

 

「内向型だけど何に対しても自信が無い」

 

こう思っている人は、単純に自分のことを理解していないのが原因ではないでしょうか。マイナス思考に陥っているが故に自分と向き合えず、持っている長所にさえ気付けない。そんな人は先ず自分を理解する努力をし、自分のことを認めるべきだと思います。それもネットの診断テストや、内向型・外向型診断の様なものでなく、性格分析の理論を通して。

 

興味を持った方は下記の記事から是非理論を学んでみて下さい。

psycjunkie.hatenablog.com

 

まとめ

 

結局のところ、外向型と内向型の差は些細なものです。所詮「1番発達した機能が内向的か外向的か」、これだけの話です。

 

そういった意味で、外向型・内向型だけで自分・他人を理解しようとするのは無意味だと感じます。それだけの情報で、人の本質を捉えられるとは到底思えません。

 

正直なところ、「内向型はこう生きるべき」の様な考えはとても表面的で、浅はかだと思います。ましてや自分が外向型、あるいは内向型であることを「特別視」することはそれ以上に下らない考えだと言わせてもらいます。

 

どちらが優れている訳でもなく、劣っている訳でもない。それを全ての人に理解して頂きたいです。