人の性格を当てる方法その2:人との接し方から考えるやり方
今回は以前の記事に引き続き、「どうやって人の性格を分析するか」について解説していきます。人を16種類の性格のいずれかに当てはめる(タイピングする)際、16種類の性格を特徴によってグループ分けすることが重要になります。(詳しくは下記参照)
グループ分けの方法は大きく2つあり、今回は方法その2である、「Interaction Style」について解説します。これは人の日常での話し方や態度を表しており、一言で言えば「他人との接し方」に基づいて性格を区別する方法です。Temperament(上記参照)と同じように4つのグループに分けることが出来るのですが、これを判別する際に見るべきポイントが3つあります。先ずはそのポイントから解説します。
これ以降の内容はある程度性格分析に関する知識が必要となる為、人を分析したい方は過去の記事を参照することをお勧めします。
知覚(S)・思考(T)等性格を形作る機能については:
Hero・Parent等の意味については:
16種類の性格の名称と機能の並び順については:
- あなたは直接的?間接的?-Direct vs Informative
- あなたは能動的?受動的?―Initiative vs Responding
- あなたは秩序重視?進歩重視?-Control vs Movement
- 4つのグループ分け
- まとめ
あなたは直接的?間接的?-Direct vs Informative
ポイントその1は「直接的(Direct)か間接的(Informative)か」を基準としています。一つ注意するべき点は、この区別はあくまで好みや傾向でしかないということです。直接的な人は常に直接的だ、直接的にしかなれない、という訳ではなく、時と場合によっては間接的にもなり得ます。
直接的な人は、簡単に言えば「自分の意見を明確に主張する人」です。回りくどい言い回しや表現をせず、自分の感情や考えをハッキリと伝えようとします。その為口数が少なかったり、簡潔な意思疎通が得意な傾向があります。
一つ勘違いしてはいけないのは、直接的だからといって自分の思っていることを全て伝える訳ではありません。あくまで「伝えたいこと」をハッキリ伝える、というだけ。なので嘘を吐かない、裏表が無い、といった特徴は直接的であることと関係ありません。
また、直接的な人は主導権を握ろうとします。友達と集まる場でも職場でも、自分の役割・他人の役割を自分で決めようとします。言い換えれば、「指示を与える側」でいたいということ。例を挙げましょう。
旅行の計画を率先して立てる、話の内容を決める、頼みごとをする、部下・同僚に指示を出すーこれらは指示を出している例です。また直接的な人は「○○しよう」だったり「○○がいい」等、あまり他人に選択肢を与えない傾向があります。与えたとしても、最終的な判断は自分で下したい。この様に、指示を出す立場でいることで、自分の望んだ通りに状況を運ばせようとします。
これに対し間接的な人は「意見を主張せず情報だけを提供する人」だと言えます。自分はこうしたい、こうして欲しいといった意見は伝えない代わりに、状況や背景の説明に力を入れがちです。その為話が長かったり説明的になる傾向があり、出来るだけ多くの情報を相手に伝えようとします。Inform(知らせる)ativeと言われる所以はこういった特徴からでしょう。
また間接的な人は「○○したいか?」「○○か××、どっちがいい?」等、選択権を相手に委ねます。強引に他人と反発してでも自分の意思に従う、といったことは余程価値観に反さない限り無いでしょう。なので仮に最初は「○○したい」と言っても、周りの人の意見と食い違えば合わせる傾向が強いです。
他人とこのような接し方をする理由は、「指示を仰ぐ側」でいたいからです。他人に役割を押し付けたくない、相手に自分の役割を決めて欲しいーこういった理由から間接的に物事を表現します。
直接的なタイプも間接的なタイプも一長一短で、どちらかが優れているという訳ではありません。直接的な人は簡潔に意思表示を行うことが出来、相手に勘違いをされにくいですが、時には他人の意思を汲み取らないまま役割を押し付けてしまうこともあるでしょう。間接的な人は周りに合わせやすく他人との衝突を避けやすいでしょうが、話の論点が分かりづらかったり、無駄な情報を含みすぎてしまうことも多いでしょう。
あなたは能動的?受動的?―Initiative vs Responding
ポイントその2は比較的分かりやすいもので、「能動的(Initiative)か受動的(Responding)か」を基準としています。ただし、上記と同じようにこの区別はあくまで好みや傾向でしかありません。
能動的な人は物事を積極的に始めるのが好きで、やってみたいと思ったことをすぐに行動に移す傾向があります。会話を投げかけたり、友達を遊びに誘ったり、新しい趣味を始めてみたり。とにかくきっかけを作るのが好き・得意な人は能動的でしょう。このタイプに該当する人は積極的・行動力があるといった長所を持っていますが、同時に「始めたことをなかなかやり遂げられない」という弱点もあります。あれもこれもと同時に手を付けてしまう為、一つのことを完遂させ辛いのではないでしょうか。
これに対して受動的な人は、自分で何かを始めるよりかは、誰かが始めたことに乗っかっていくタイプです。普段は静かでも話しかけられれば饒舌になったり、誰かに誘われたことを一緒にやったり、外部からの刺激を受けて行動を取ることが多いです。能動的な人に比べると消極的・受け身な印象を与えますが、始めたことは最後までやり遂げる傾向が強いという長所もあります。
能動的か受動的かを判断する際、Hero(最も発達した機能)を知っていれば自動的に判別することも可能です。外向的、つまりSe・Ne・Te・FeをHeroに持っていれば能動的となります。内向的、つまりSi・Ni・Ti・FiをHeroに持つ人は受動的なタイプです。
あなたは秩序重視?進歩重視?-Control vs Movement
ポイントその3は「秩序重視(Control)か進歩重視(Movement)か」です。これもあくまで好みや傾向です。この違いは何らかの目標を達成しようとする際にハッキリ出ます。
「秩序なくして結果は出ない」―これが秩序重視の考え方です。決して焦らず、慎重に、堅実に、努力を積み重ねていく。休みが必要だと感じればきちんと休む。この様に、自分の進み方やペースをコントロールし、秩序をもたらそうとします。多くの秩序型は焦ったり急かされたりすることを好まず、ノルマ式(今日は予定通りここまで進んだから続きは明日やろう、等)で行動する傾向が強いと感じます。
基本的に、秩序型は状況を落ち着かせるような行動を取ります。イメージとしては「一定のペースを保って、敷いたレールの上を歩く」ことを想像して下さい。しっかりと地に足を付け、一歩一歩踏みしめて歩く。レールに障害物があれば一度止まってきちんと対処する。脱線しそうになったらブレーキを踏む。
対する進歩重視の人は「進展こそが結果を生む」と感じているでしょう。どんな形であっても前進し、成果や変化を見ていたい。一度ゴールを設定したなら、なるべく早くそこに辿り着きたい。行き詰ったり休息している様な状況を停滞と捉え、多少無理をしてでも前進しようとします。
進歩型は状況を進展させるような行動を取りがち。プロジェクト等が煮詰まったりすれば積極的に状況を引っ掻き回そうとするでしょう。これは決して邪魔をしようとしているのではなく、刺激を与えることで新しい視点やアプローチを提示したり、周りを活気づけ再び前進させようとしているのです。
常に全速力で走っている感覚をイメージして下さい。一度足を止めれば停滞する。速度が落ちても停滞する。常に何処かへ進んでいる、という実感を得たいからこそ、足を止めずアクセルを踏み続けるのです。
上記の2つのポイント同様、どちらのタイプも一長一短です。秩序型の慎重さは停滞を生む危険性を秘めています。マイペースにゆっくりじっくり、少し疲れたら足を止め休憩。これではいつまで経っても進めないこともあります。同様に進歩型の努力とスピードは骨折り損になってしまうことも。早く目標に辿り着くことは、その過程を疎かにして良い言い訳にはなりません。また何処かへ行こうとする気持ちも、それなりの秩序と方針が無ければただの堂々巡り。沢山動いているが前進していない、という可能性もあります。
時には秩序を乱し強制的にアクションを起こさせる進歩は必要でしょうし、早すぎて意味のある進展を成せない進歩を落ち着かせる秩序も必要です。
4つのグループ分け
上記の3つのポイントを組み合わせることで、4つのグループを作ることが出来ます。
グループ1:直接的・能動的・秩序重視
- ESTJ
- ESTP
- ENFJ
- ENTJ
グループ2:間接的・能動的・進歩重視
- ESFJ
- ESFP
- ENFP
- ENTP
グループ3:直接的・受動的・進歩重視
- ISTJ
- ISTP
- INFJ
- INTJ
グループ4:間接的・受動的・秩序重視
- ISFJ
- ISFP
- INFP
- INTP
例えばESFPは間接的・能動的・進歩重視であることを好みます。その為積極的に会話を投げかけたり、常に変化を遂げることで成長し続けようとします。また他人に指示を出したり自分の意見を簡潔に表現することは得意ではなく、最終的な判断は他人に任せがちです。
まとめ
この記事の要点をまとめると:
- 16種類の性格は4つのグループに分けることが出来る
- 分け方の一つである「Interaction Style」は性格を他人との接し方で区別している
- Interaction Styleに基づいてグループ分けする際、見るべきポイントは3つある
- ポイント1:直接的な表現・意思表示を行うか、間接的な表現・意思表示を行うか
- ポイント2:能動的に物事を始め周りに影響を与えようとするか、受動的に周りからの影響を受けて行動するか
- ポイント3:目標に辿り着く為に、秩序と安定感をもって慎重に歩んでいくか、何よりも進展を望み、その為に全速力で走り続けていくか
次は2つのグループ分けを用いて、具体的にどういった流れでタイピングを行うのかについて詳しく解説します。
追記:補足としてより具体的な解説記事を上げました