性格分析の理論を解説2:8つの機能はどういう法則で並べられるのか
今回は、以前に引き続き8 Function Modelの理論について解説します。まだ読んでいない方は先にこちらを読むことをお勧めします。
前回で8つの機能(Cognitive Function)の成り立ちが判明しました。今回はそれらをどの様に順位付け、1つの性格と定義するのかについて解説します。並べる際の法則は下記の2つです。
1. CFは発達度合い・上手く扱える順番に並べられる(1=最も扱い慣れた機能、8=最も扱い慣れていない機能)
2. 対称性を保ちつつ配置する必要がある
法則1:CFの発達度合いによる順位付け
先ずは法則1に注目します。大前提として、全ての人に全てのCFが備わっています。これはつまり、Tiを全く使えない人(論理的な判断を下せない人)やFeを全く使えない人(他人の感情・善悪観を基に判断を下せない人)は存在しないということです。
しかし、どんな人もCFの発達度合いには偏りが生まれます。環境・遺伝的な理由から人それぞれ考え方や行動の仕方に選り好みがある為、よく使われるCFとそうでないCFが生まれます。故に、発達度合いに順序が生まれ1~8番にランク付けがされるのです。
法則2:風船は破裂しても萎んでもいけない
次に法則2を見てみましょう。CFを並べる際には、発達度合いだけでなく対称性も重要になって来ます。対称性についての詳細は上記の記事を参照して下さい。
先ずはIntroversion(内向性、以下I)とExtraversion(外向性、以下E)の対称性に注目します。この対称性の重要性は風船に例えると分かりやすいと思います。
風船を人の心だとすると、I系のCF(Introverted Sensing・Introverted iNtuition・Introverted Thinking・Introverted Feeling)が空気を入れる行為、E系のCF(Extraverted Sensing・Extraverted iNtuition・Extraverted Thinking・Extraverted Feeling)が空気を出す行為だとしましょう。
仮にI系のCFしか発達しなかった場合、その人の風船は膨らみすぎて破裂してしまいます。逆にE系のみだと風船は萎んでしまいます。この例えのように、IとEの対称性は風船の大きさーつまり心のバランスを保つ為に必要だということです。結果、配列の中でIとEの間でバランスがとれている必要があり、IとEが連続して並ぶことはありません。
次に重要となる対称性が、Sensing(知覚、以下S)とiNtuition(直感、以下N)の対称性、そしてThinking(思考、以下T)とFeeling(感情、以下F)の対称性です。この対称性は1番目と4番目のCFの間、及び2番目と3番目のCFの間に現れます。
例えば、1番目のCFが判断を下す機能であるFだった場合、4番目のCFは同じく判断を下す機能ですが対称であるTになります。逆に1番目の機能がTだった場合、4番目の機能は対称であるFになります。同じように、1番目のCFが情報を集めるSだった場合,4番目は対称であるNになります。2番目と3番目のCFにも同じ対称性が存在します。機能間の対称性は下記の図を見れば分かりやすいと思います。
この対称性に加えて、上記の風船の例の様に、Perception(以下P)とJudgement(以下J)の対称性―つまり情報収集と判断のバランスを保つことも必要となります。その為、1番目と4番目のCFがJであれば2番目と3番目はP、1番目と4番目がPであれば2番目と3番目はJとなります。
Aさんを使ったCFの配置ー1~4番目
ここまでの情報を全て組み合わせて考えると、こうなります。最初の4つのCFは、S・N・T・Fから一つづつで構成されます。更に、IとEが交互に現れる必要もあります。では仮に、「Aさん」の最も発達しているCFがExtraverted Feeling (Fe)だとしましょう。法則1に基づいて、Feが1番目に配置されます。この時点で、4番目は1番目とJ軸の対称性を保つ必要があるので、TのCFが配置されると判断出来ます。更に、IとEのバランスを保つ為に、Extraverted Thinking(Te)ではなくIntroverted Thinking(Ti)がここに入ります。
この時点でのCFの並びはこうなります。
1. Fe |
2. |
3. |
4. Ti |
5. |
6. |
7. |
8. |
2番目のCFは、2つの可能性があります。E、そしてJのCFに続くのでIntroverted Sensing(Si)もしくはIntroverted iNtuition(Ni)です。仮にSiだとすれば3番目はExtraverted iNtuition(Ne)、NiであればExtraverted Sensing(Se)となります。
可能性1
1. Fe |
2. Si |
3. Ne |
4. Ti |
5. |
6. |
7. |
8. |
可能性2
1. Fe |
2. Ni |
3. Se |
4. Ti |
5. |
6. |
7. |
8. |
上記の図を参照すれば、対称となっているCFのペアをすぐに見つけることが出来、法則を一つづつ確認せずとも適切に並べることが出来ます。図を見たとき、Feの対極―つまり最も距離が離れたCFはTiです。これらは互いにJ軸上で対称であり、IとEの軸においても対称です。同じく、SiとNe、NiとSeもそれぞれ対極場にありますよね。
Aさんを使ったCFの配置ー5~8番目
ここまでをまとめると、AさんのCFの並びはFe・Si・Ne・TiもしくはFe・Ni・Se・Tiのどちらかです。では、残りの4つはどうなるのでしょう。5番目と8番目、そして6番目と7番目のCF間にも上記と同じ対称性が存在します。また5~8番目はShadowと呼ばれ、1~4番目の鏡の様な存在だとされています。なので、1番目のCFがFであれば5番目もF、2番目がSであれば6番目もSとなります。結果的に、5~8番目のCFは1~4番目のCFのIとEを入れ替えるだけで判明します。
仮にAさんがFe・Si・Ne・Tiを最初の4つに持っていれば、残りの4つであるShadowはFi・Se・Ni・Teとなります。Fe・Ni・Se・Tiを最初の4つに持っていれば、Fi・Ne・Si・TeがShadowになります。
可能性1
1. Fe |
2. Si |
3. Ne |
4. Ti |
5. Fi |
6. Se |
7. Ni |
8. Te |
可能性2
1. Fe |
2. Ni |
3. Se |
4. Ti |
5. Fi |
6. Ne |
7. Si |
8. Te |
まとめ
長くなりましたが、この記事の要点をまとめるとこうなります。
- 8 Function Modelにおいて、性格とは8つのCFの並び順によって定義される
- CFを並べる際、CFの発達度合い及び対称性を考慮する
- 対称性1-IとEの対称性により最初の4つのCFはIとEが交互に配置される
- 対称性2-P軸とJ軸上での対称性が1と4、2と3番目のCFに存在する
- 対称性3-PとJの対称性+対称性2により、S・N・T・F全ての機能が最初の4つに含まれる
- 上記の3つの対称性は5~8番目のCFにもある
次は1~8番目のCFがそれぞれどのように性格を形作るかについて解説します。