Psyentific Blog - 16の性格

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自分・他人の性格を詳しく分析する方法を知りたい人の為に

性格分析の理論を解説:対称性・8つの機能の成り立ち

この記事では、性格を分析する8 Function Modelと呼ばれる考え方・方法について解説します。このブログで紹介している各性格の分析・解説等は、このモデルを基に行っています。かなり理論的な内容が多い為、取り敢えず自分・他人の性格を知りたいと思っている方は下記の記事から読み始めることをお勧めします。

 

psycjunkie.hatenablog.com

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今回は先ず、8 Function Modelにおける重要なコンセプトである「対称性」について解説します。このモデルにおいて対称性は3つ存在しており、これらを理解することで性格を形作るCognitive Functionと呼ばれる8つの機能を定義付けることが出来ます。

 

 

 

 

対称性1:情報収集と判断の対称性

 

前回の記事で、人の性格は情報収集と判断の2つの要素によって形作られると言いました。

psycjunkie.hatenablog.com

 

8 Function Modelでは、情報収集を行う機能は総じてPerception(以下P)」と呼ばれ、判断を行う機能はJudgement(以下J)」と呼ばれます。先ず、この間に一つの対称性が示されています。

 

情報収集は自分の中に情報を取り入れる行為、インプットであるのに対し、判断は受け取った情報に対する行動、つまりアウトプットです。この様にPJは対称的な要素で、グラフのXY軸のように考えることも出来ます。

 

 

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対称性2:知覚と直感、思考と感情の対称性 

 

前回話したユングのモデルのように、情報収集を行うPの機能には知覚(Sensation、以下S)直感(iNtuition、以下N)が存在し、判断を下すJの機能には思考(Thinking、以下T)感情(Feeling、以下F)が存在しています。SとN、TとFはそれぞれ対称的な機能になっています。

 

SとNに注目したとき、これらの機能は時間軸具体性・抽象性で分けられた対称性を持っていると言えます。Sが現実や現在、もしくは過去から情報を集めるのに対し、Nは未来の可能性や予感から情報を集める機能です。これらは完全に対称的な存在で、時間によって明確に区切られています。また、Sは現実に存在する、具体的な事象を介して情報を得ますが、Nは抽象的な理論やイメージから情報やそのヒントを得ます。

 

TとFの場合、判断基準が2つの機能を分かつ要素になっています。データや論理等に基づいて判断を下すのがTなのに対し、自他の善悪観や感情を元に判断を下すのがFです。加えて、Tによる正誤の判断は数値や理論等客観的な理由で裏付けることが出来ますが、Fによる良し悪し・善悪の判断は自他の価値観や感情に大きく左右され、主観的な理由によって裏付けされていることが多いです。このように、TとFも互いに対照的な存在となっています。

 

4つの機能を先ほどのXY軸に載せると、この様になります。

 

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PというX軸の両端にSとNが存在し、JというY軸の両端にTとFが存在しています。この様に同じ軸に存在する機能は互いに対称になっており、機能が混ざり合って中間的な機能が生まれることはありません。例えば、SとNの両方の性質を程よく持った機能は存在しないということです。

 

対称性3:内向性と外向性の対称性 

 

3つ目の対称性は、内向性(Introversion、以下I)と外向性(Extraversion、以下E)によって示されます。8 Function ModelにおけるIとEは、4つの機能の方向性―つまり自分に対して働くか相手に対して働くかを表しています。自分に働くものは内向的なのでIntrovertedとなり、相手・世界に働くものは外交的なのでExtravertedとなります。例えばSが内向的に働けば「自分の経験を把握+経験を取り込む」ことで情報を集めるのに対し、外交的に働けば「他人の経験を把握+経験を与える」ことで情報を集めるのです。

 

これを4つの機能を含めたXYグラフに加えると、3つ目の軸がZ軸として現れます。

 

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3つの対称性から生まれる8種類の機能 

 

このように3つの対称性が示された今、4つの機能にIとEをそれぞれ組み合わせることで、8種類のCognitive Function(以下CF)と呼ばれる機能が生まれます。

 

8つのCFは以下のように略します。

Introverted Sensing = Si(内向的知覚)

Extraverted Sensing = Se(外向的知覚)

Introverted iNtuition = Ni(内向的直感)

Extraverted iNtuition = Ne(外向的直感)

Introverted Thinking = Ti(内向的思考)

Extraverted Thinking = Te(外向的思考)

Introverted Feeling = Fi(内向的感情)

Extraverted Feeling = Fe(外交的感情)

8 Function Modelにおいて、これらのCFが性格を定義付ける要素です。各CFがそれぞれどういった機能を司るかは、上記の記事を参考にして下さい。

 

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上記の2つの図は、3つの対称性及び8つのCFの成り立ちと機能の関係性を分かりやすく表したものなので、是非参考にしてみて下さい。

 

まとめ

 

今回の記事の要点は以下です:

 

  1. 8 Function Modelには3つの対称性がある(PとJの対称性、SとN、TとFの対称性、IとEの対称性)
  2. この対称性の存在によって8つのCFと呼ばれる機能が定義でき、それぞれ異なる機能を司る
  3. 8つのCFが性格を定義する要素

 

次回は8つのCFを用いて、実際どのように性格が形作られるのかを解説します。

 

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