ENFJ-カリスマ的な先導者
今回はENFJについて解説します。「カリスマ的」「リーダー気質」「気配り上手」―こういった言葉がENFJを端的に表しています。自らに課す高い目標意識、そして持ち前の共感力で人々の心を掴みます。東京喰種の「芳村店長(フクロウ)」等がこのタイプの例でしょうか。ENFJのCognitive Functionの並びは以下です。
1. Hero: 外向的感情(Fe)―倫理的に考え、他人の感情を読み取る力
2. Parent:内向的直感(Ni)―自分の願望・未来を感じ取る力
3. Child:外向的知覚(Se)―現実を把握し経験を与える力
4. Inferior:内向的思考(Ti)―論理的に考える力
5. Nemesis:内向的感情(Fi) ―道徳的に考え、自分の感情を把握する力
6. Critic:外向的直感(Ne)―他人の願望・未来・可能性を感じ取る力
7. Trickster:内向的知覚(Si) ―自分の経験を記憶として蓄積する力
8. Demon:外向的思考(Te)―合理的に考え、他人の考えを読み取る力
Cognitive Function(Fe・Ni等のアルファベット)や性格分析に使われている理論(Hero・Parent等)について詳しく知りたい方は、是非過去の記事を参考にしてみて下さい。
- どんな人とでも仲良くなれる
- やりたいことは譲れない
- 皆を楽しませ、経験を与える人でいたい
- 自分と共に他者を導く先導者
- 自分の考えへの疑念
- 自分が善人だと信じられない
- 無責任・非現実的な未来は選ばせない
- まとめ
どんな人とでも仲良くなれる
ENFJが友達作りに困ることは無いでしょう。常に他人の感情を把握し、喜びや悲しみを共有する力であるFeをHeroに持つからです。その場の空気を乱さないような行動を取り、機嫌を損ねている人がいればすぐさま和ませようとする。こういったことを自然とできる為、周りから「良い人」「優しい人」という評価を受けやすいです。
ENFJにとって大事なことは客観的な良し悪しです。多数が共有している価値観・道徳観を探り、自分の価値観とする。自分の感情や善悪観を抑えて周りに馴染むことが出来るので、親しまれやすいタイプです。
やりたいことは譲れない
将来の夢や目指したい目標といった願望。自分の感情に嘘はつけても、自分の願望には正直です。ENFJをこうさせるのはParentであるNiでしょう。直感的に感じ取った自分の未来やゴールを尊重し、周りに縛られることなくこれらを実現させたいと思っているはずです。
HeroやChildのNiと違い、ParentのNiには責任感が伴います。あれも欲しい、これも欲しい、と闇雲に何かを欲することはしません。冷静に考えた上で自分が本当に望む未来を把握し、何としてでもその目標に辿り着こうとするでしょう。
皆を楽しませ、経験を与える人でいたい
パーティーや行事を主催し、参加者が楽しめる空間を提供する―この点において、ENFJはSeをHeroに持っているESTP・ESFPに引けを取らないでしょう。これを可能にするのはChildであるSeです。
ENFJは他人に良い経験・影響を与えることが好きで、積極的に会話を投げかけたり、友達を遊びに誘ったりします。一人で静かにうずくまっていたり、中々周りに溶け込めないような人を見つければ、子供の様な純粋さで声をかけるでしょう。
また、Seは現実で起こっていることや他人の動向を把握する機能でもあります。その為ENFJは流行にも敏感で、ホットな話題にはすぐに食いつくでしょう。その反面、身近で起きていないことや過去の事象には鈍く、忘れっぽい一面もあります。これはTricksterであるSiによるものです。
自分と共に他者を導く先導者
「人望の厚い教師」「社会活動の主導者」
ENFJがこういったイメージを持たれがちなのは、自分の理想に周りを導こうとするからでしょう。
先述したように、ENFJは常に自分の理想や願望を把握しています。これが強いFeによって社会や人に向けられやすく、「人・社会がこうあって欲しい」という願望を生みます。すると純粋なSeが周りの人や世界に影響を与えることで自分の望んだ変化を起こそうとし、結果的に自分の理想に他人を導くのではと考えられます。
例えば教育熱心なENFJの教師が、あまり勉強をしない生徒を受け持ったとしましょう。この現状に対して行動を取らないことはSeに反し、手助けをしないことは倫理(Fe)に反すると感じるでしょう。「自分が生徒のやる気を出させ優秀な生徒に育てる」-これが教師の目標となるわけです。生徒を立派に育てることで自分の望みを叶えようとする過程で、他者である生徒も成長することが出来、より良い人間になれるわけです。
自分の考えへの疑念
「自分の考えは正しいのだろうか」―ENFJはこういった疑念に悩まされがちです。InferiorであるTiがこの不安の源です。自分の意見や考えを表現出来なかったり、否定された場合はかなりのストレスを感じるでしょう。
「あの問題の答え、○○だよね?」
テストの後に自分の答えが間違っていないか確認しているENFJは想像に難くありません。
自分の考え・論理性に自信を持てない為、ENFJは上記の例の様に積極的に周りの意見を聞いたり賛同を求めるでしょう。これは一見Teを使っている様にも見えるかもしれませんが、ENFJのTeはDemonです。この可能性は低いです。他人に意見を求めるのは、あくまで自分の考えに納得したいからです。
自分が善人だと信じられない
「自分は良い人間ではないのではないか」―こう感じているENFJは多いでしょう。こういった不安を生むのはNemesisであるFiです。自分の道徳観や自己評価にどうしても自信を持つことが出来ず、必要以上に謙虚になってしまうことも多々あります。
この恐怖から逃れる為、ENFJは自分のHeroであるFeを頼ります。常に他人の感情や価値観を尊重し、誰も傷付けない。自分以上に他人の利益を第一に考える。そうすることで周りから「良い人」という認識を持ってもらうことで、自分が善人であるという確信を得たいのです。
無責任・非現実的な未来は選ばせない
「将来こんなことをやってみたい」「自分の目標は○○だ」
ENFJに自分の願望を伝えた時、素直に認めてもらえることは珍しいでしょう。ENFJのCriticはNeです。他人の欲する未来や願望には人一倍批判的で、無謀な目標を持っている人を放っておくことは出来ません。そういった意味で、ENFJは好ましくない方向に進もうとしている人たちを引き留める、メンターのような素質を持っていると言えます。
まとめ
ENFJの特徴を簡単にまとめると:
- 他人の道徳・善悪観を基に判断を下し、倫理的な人間であろうとする
- 冷静に自分の願望を把握し、設定した目標に向かう
- 他人を楽しませ、良い経験を与えたがる
- 自分の理想を実現する過程で、他人もより良い未来に導く
- 自分の考え・論理性に不安がある
- 自分が善人ではないという恐怖がある
- 他人の願望には厳しく、無謀な目標設定はさせない
となります。