INTJ-信念を貫く戦略家
今回はINTJがどんな性格なのかについて解説します。「戦略的」「意欲的」「分析的」といった言葉がINTJを端的に表しているでしょう。湧き上がるインスピレーションと持ち前の分析眼で、望んだ未来を実現させます。エヴァンゲリオンの「碇ゲンドウ」やデスノートの「ニア」等、アニメや漫画でINTJを見つけるのはそう難しくはありません。INTJのCognitive Functionの並びは以下です。
- Hero:内向的直感(Ni)―自分の願望・未来を感じ取る力
- Parent:外向的思考(Te)―合理的に考え、他人の考えを読み取る力
- Child:内向的感情(Fi)―道徳的に考え、自分の感情を把握する力
- Inferior: 外向的知覚(Se)―現実を把握し経験を与える力
- Nemesis:外向的直感(Ne)―他人の願望・未来・可能性を感じ取る力
- Critic: 内向的思考(Ti)―論理的に考える力
- Trickster:外向的感情(Fe)―倫理的に考え、他人の感情を読み取る力
- Demon:内向的知覚(Si)―自分の経験を記憶として蓄積する力
Cognitive Function(Ni・Te等のアルファベット)や性格分析に使われている理論(Hero・Parent等)について詳しく知りたい方は、是非過去の記事を参考にしてみて下さい。
見据えるのは自分の未来
INTJが自分の未来を予測出来る理由―それはHeroであるNiにあります。自分が10年後何をしているのか。自分がこれから目指したい目標。INTJはこういったインスピレーションが無数に浮かび上がり、無意識のうちに自分のやりたいことだけを「抽出」することで選択しています。
「あなたはこうすべきだ」「やるべきことをやれ」
こんな言葉は大嫌いです。Niにとって責任感や義務感といった概念は、足枷にしかなりません。自由な環境で、自分の意志で、自分のやりたいことをやる。これがINTJのモットーとも言えます。そういう意味で、INTJに投げかけるべき言葉はNeで可能性を広げるようなこと。「こんなことも出来るよ」や「何がやりたい?」等です。
INTJのDemonはSiです。これが意味することとは何か。上記のように義務感を持っていないことは勿論、過去を振り返ることはしません。常に未来を見据え、「これから自分がしたいこと」を考えて生きていきます。
躊躇しない決断力と飽くなき知識欲
この状況における最も合理的な選択とは何か。どんな行動が必要とされているのか。INTJの判断の多くはParentであるTeが下します。与えられた資源や情報を基に、最も適切な解を導く。リソース管理や決断力の早さには目を見張るものがあります。
「経験」は忘れようとも、「知識」はずっと覚えている。これもTeの力です。一度見聞きした情報や考えは長期間頭に残り、これらを合理的な判断に役立てます。またINTJのTeには冷静さと責任感があり、与えられた情報をうのみにはしません。著名人だろうが専門家だろうが関係ない。誰の考えであろうと一度他のデータと照らし合わせ、「正しい」知識だけを取り入れる力を持っています。
理想を現実にする戦略家
長期的な戦略や計画。目標を設定し成し遂げる、という点において、INTJの右に出る者はいません。
INTJの計画は基本的に「トップダウンアプローチ」で行われます。言い換えれば、答えありき、ということです。HeroであるNiは常に「未来の目標」を見据えています。これから自分がどうなりたいか、どんなものを得たいのか。自然とこういった願望が生まれ、計画の礎となります。
ではどうすれば自分の理想を実現出来るのか。ここで働くのがTeです。目的に辿り着く為に必要な項目を全て洗い出し、それぞれが要するリソースや時間を理解する。その過程で客観的に正しい戦略を選択・作成し、実行に移す。最初のステップさえ行えば、ドミノ倒しのように計画は進行していきます。
INTJが周りにいる人はこう思ったことがあるかもしれません。
「気が付いたらINTJの想定していた通りに事が運んでいた」
つまり、誰も知らない内に計画は進行しているということです。こんなことが出来るのは、NiとTeを持っているからこそです。あらかじめ用意しておいた答えや結末に辿り着くよう、自分や周りを操作することは造作もありません。またTeは「他人の考え」を操作することも得意とするので、INTJの目的や思考を読み取るのは至難の業です。
自分のモラルは疑わない
「空気が読めない」「冷酷」「感情が無い機械」
INTJを表面的に理解し、こういった結論に至る人は少なくないでしょう。恐らくこれはParentであるTeやTricksterであるFeによるものが大きいです。
確かに「他人の感情」を理解することは出来ません。ただ、「自分の感情」と「自分の道徳観」は常に把握しています。意外かもしれませんが、INTJはとても感情豊かな性格です。自分が良いと感じさえすれば、他人に尽くしたり優しくすることも当然あります。
ChildであるFiは、「自分が良い人間だ」という自覚を生みます。これは「良い人間であろうとする」意志でもあります。INTJが自分のモラルに背くことはありません。例えどれだけ周りが否定しようと、自分にとっての善悪観は変わりません。そういう意味で、故意に誰かを傷付けようとするような人間ではないのです。
またINTJは「プライドが高い」「意識が高い」ともよく言われます。これはNi・Te・Fiによるもので、自分の目標や理想に辿り着けなければ、自分は優秀ではない。もっと言えば、周りからも認められずに自分の評価が悪くなるかもしれない。こう感じてしまいがちだからでしょう。
自分の存在感への不安
「この服はダサくないだろうか」「皆の前で失敗したくない」「友達は自分に忠実なのか」
INTJを悩ませる不安はSeによってもたらされます。自分の与えている経験―見た目やパフォーマンスに対して、INTJはとても臆病です。料理を作ってもあまり他人に振る舞いたがらない、とても上手いのにステージで演奏が出来ない。こんな話はよく聞きます。
同じように、自分に対する忠誠心にも不安を抱きがちです。友人や恋人等、周りの人に必要とされているのか、考えずにはいられません。結果人の忠誠心を試すようなことをしてしまい、かえって嫌われてしまう可能性も大いにあります。INTJは、こういった点に注意すべきです。
Seは他人の動向や現実での出来事に注意を向ける機能でもあります。結果、五感に訴えかけてくる情報に過剰に反応してしまい、人混みや騒音に対して耐性が無いINTJも多いでしょう。
他人は信用ならない
「どうせ皆悪意を持って近寄ってくる」
INTJは無条件に他人の意図を疑っています。これはNemesisであるNeによるものです。
そういう意味で、INTJは他人の裏切りや悪意にとても敏感です。少しでも怪しい素振りを見せれば、即関係を断ち切る。これは時に自分を守ることに繋がりますが、早すぎる判断は真実を掴み損ねます。本当はINTJを助けようとしていたのに、突き放されてしまう。これはあり得ない話ではないのです。
自分は天才ではない
「INTJは天才」
ついついこう思ってしまい、口に出してしまう人もいるでしょう。ただ、INTJ側からしたらこれは嬉しいのでしょうか。自分はそうは思いません。
「自分は賢くない」―INTJはTi Critic故こう思いがちです。自分の考えや結論に対して過度に批判的になってしまい、中々自分の考えを受け入れられない。折角面白いアイディアが浮かんでも、正しくなさそう、と思えば誰にも言えないでしょう。そういう意味で天才だ、等と言われても、本人にとっては受け入れ難い賞賛なのではないでしょうか。
ただこのCriticにも重要な価値はあります。TiはTeを通して得た他人の考えを、受け入れる前に必ず自分で考えます。その過程で間違いに気付くこともあるでしょう。本当に正しい考え、これを蓄え広めていく力を持っている筈です。
まとめ
INTJの特徴を簡単にまとめると:
- 自分の未来・願望を把握し、常に理想を追い求める
- 他人の考えを察知し、合理的な行動・判断を下す
- 自分が望む未来や目標を、戦略的に実現させる
- 自分のモラルや感情に忠実で、良い人間であろうとする
- 自分の与える経験・他人の忠誠心に対する不安がある
- 中々他人を信頼できない、疑心暗鬼になりがち
- 自分の考えに否定的
となります。
INTJはINFJに次いで珍しい性格と言われており、中々出会うことは無いでしょう。ただINFJ同様、良くも悪くも勘違いされやすい性格だと感じます。診断結果を信じているだけだったり、ミスタイプしてしまった人もそれなりにいると思っています。自分、もしくは周りにINTJがいるのであれば、今一度きちんと考え直してみて下さい。